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白井 理; 飯塚 政利*; 岩井 孝; 荒井 康夫
Journal of Applied Electrochemistry, 31(9), p.1055 - 1060, 2001/09
被引用回数:21 パーセンタイル:47.15(Electrochemistry)723~823KのLiCL-KCl共晶塩中でのNp/Npの酸化還元対の電気化学挙動を起電力測定、サイクリックボルタンメトリー及びクロノポテンショメトリーにより調べた。Ag/AgCl参照電極(1wt%AgCl-LiCl-KCl)に対するNp/Npの標準酸化還元電位(E)は次式で表されることがわかった。E=-2.0298+0.0000706T(V)。また、LiCL-KCl中でのNpの拡散係数(D)は、D=2.2210+6.8810T+5.6010T(cm・s)であった。サイクリックボルタモグラムにはNpのバルクの析出・溶解だけでなく、アンダーポテンシャルデポジションによるNpの吸脱着波が観察された。このピーク電位の解析からNpの仕事関数は3.04eVと予測できた。
白井 理; 飯塚 政利*; 岩井 孝; 鈴木 康文; 荒井 康夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(8), p.676 - 681, 2000/08
窒化物燃料サイクルへの乾式法の適用を念頭においてNpClを含むLiCl-KCl系でのNpNの電解挙動を検討した。サイクリックボルタモグラムの解析よりNpNの溶解反応は非可逆で遅いことが判明した。ただし、NpNがNpとして溶解し始める電位は理論的に導出された値に近かった。さらに、低電位及び低電流印加によるNpNの電解実験を行い、約0.5gのNp金属を回収することができた。電析物は塩と金属の混合体であるので、800に加熱し1時間保持することにより、塩と金属を分離した。
白井 理; 岩井 孝; 塩沢 憲一; 鈴木 康文; 坂村 義治*; 井上 正*
Journal of Nuclear Materials, 277(2-3), p.226 - 230, 2000/02
被引用回数:24 パーセンタイル:80.82(Materials Science, Multidisciplinary)プルトニウム窒化物(PuN)のLiCl-KCl共晶塩系での溶解挙動をボルタモグラム測定等により検討した。理論的に導出したPuNの溶解電位(-0.865V)と実験値はほぼ一致した。陽極にはタングステンかご状電極を用い、その中にPuNを入れ、陰極にはモリブデン線を使用して、約0.54wt%のPuClを含む塩中でPuの電解回収実験を行った。陰極電位を固定した定電位電解と陰極・陽極間の電流を一定とした定電流電解を行い、グラムオーダーのPu金属を回収することに成功した。電解時の各電極の電位をモニターすることにより、陽極ではPuNが溶解してプルトニウムイオン(Pu)になり、陰極ではPuがPuに還元されて析出することを確認した。電析物は-Puを含むことをX線回折法により確かめたが、塩を多量にまき込んでいるため、Pu金属の単離は困難であった。
飯塚 政利*; 魚住 浩一*; 井上 正*; 岩井 孝; 白井 理; 荒井 康夫
Proceedings of 6th International Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transmutation (CD-ROM), p.327 - 341, 2000/00
プルトニウムの挙動に関する電気化学的条件の影響及び乾式再処理における最適な条件を液体カドミウム電極を用いて調べた。液体カドミウム電極でのプルトニウム回収に対応する陰極電流密度は溶融塩中のプルトニウムイオンの拡散に律速され、その電流密度はプルトニウムイオン濃度に比例した。金属間化合物であるPuCdを過剰に生成する条件で電解した場合は、液体カドミウム電極の底に沈積していた。この挙動はアメリシウム共存系でも局所平衡モデルで説明できた。実験結果は、実験の装置及びプロセスにおいて、プルトニウム回収速度が十分に速いことを示した。
坂村 義治*; 井上 正*; 白井 理; 岩井 孝; 荒井 康夫; 鈴木 康文
Proc. of the Int. Conf. on Future Nuclear Systems (GLOBAL'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
金属及び窒化物燃料用に開発されている高温化学再処理に関する研究の一環として、LiCl-KCl/液体金属系での超ウラン元素の挙動を調べた。ここではLiCl-KCl/液体Bi系でのNpの挙動に関する実験と、LiCl-KCl/液体Cd系でのPu及びAmの挙動に関する実験を行った。前者の実験では、液体Bi中へのNpの固溶度と過剰部分モル自由エネルギーを求めた。後者の実験では、液体Cd中でのPuの活量係数及びPuとAmの分配係数を評価したほか、溶融塩中においてAmが還元条件下ではII価で存在することを示した。さらにNp/Np(III)及びPu/Pu(III)の標準電極電位を決定したほか、得られた実験結果を用いて、LiCl-KCl/液体金属系中でのアクチノイドとランタノイドのふるまいについて、熱力学的側面から議論した。